近代から現代までの日本の絵画
collection
近代になると西洋から新たな美術様式が導入され、洋画や日本画などの表現様式が生まれました。
当館には横山大観や和田栄作など明治期に活躍した画家の作品から、
梅原龍三郎、小倉遊亀など昭和期に活躍した画家の作品などが収蔵されています。
これらの多くが富士山などの風光明媚な景色を描いた風景画や、
花や壺などの美しい工芸品を描いた静物画であり、
日々の暮らしのなかで美術品を愛好する創立者の穏やかなまなざしが感じられます。
-
横山大観
《霊峰不二》
-
梅原龍三郎
《鯛》
-
片岡球子
《めでたき富士》
-
大山忠作
《黎明翔鶴》
-
中島千波
《竹図》
-
和田英作
《富士》
-
小倉遊亀
《古九谷鉢葡萄》
-
松本哲男
《一宇一月明》
《霊峰不二》
紙本墨画淡彩
48.1×55㎝
近代日本画の礎を作った横山大観の作品。富士山が雲の上に飛び出している構図が特徴。世界を超越しているような神々しさが感じられる。
《鯛》
昭和31(1956)年
油彩/キャンバス
37×49.5㎝
大正・昭和期に活躍した洋画家。本作品は筆を使わずチューブから直接キャンバスに絵の具を絞り出して描かれたもの。1958年の第30回国画会に出品され、その技法に注目が集まった。
《めでたき富士》
平成4(1992)年
紙本金地彩色
33.5×53.2㎝
戦前から戦後にかけて活躍した女流画家。本作品は1960年代から取り組んだ富士山のシリーズの1点。華やかな金地の空にくっきり映える富士山のシルエットが印象的である。
《黎明翔鶴》
平成14(2002)年
紙本彩色
50.1×65.4㎝
戦後活躍した日本画家。山口蓬春に師事し、日展で活躍した。本作品は富士山を背景に朝日がのぼる空を飛ぶ鶴の姿が描かれていて、新しい時代の到来を感じさせる。
《竹図》
平成6(1994)年
紙本彩色
65.2×91㎝
月光に照らされた竹林の図。大きな満月は暗闇を明るく照らし、神々しいまでの竹の姿を浮かび上がらせる。花鳥画を得意とした中島千波の珍しい1点である。
《富士》
大正5(1916)年
油彩/キャンバス
27.2×41㎝
和田英作は明治時代に外光派の黒田清輝に師事し、その後パリでアカデミックな油画の画法を学んだ洋画家である。淡い色調で薄塗の油絵具で描かれた富士山には穏やかな光があふれている。
《古九谷鉢葡萄》
昭和50(1975)年
紙本彩色
41×53㎝
古九谷鉢に二房の葡萄を描いた静物画。白金地の背景に古九谷の白磁の肌合いがしっとりと描かれている。画家70代の成熟期の作品。
《一宇一月明》
平成4(1992)年
紙本彩色四曲一隻
399.2×177㎝
冬の山梨県忍野村に滞在した作者が月明かりに浮かぶ富士山に感動して描いたもの。本作品は銀河に浮かぶ星々の瞬きを背景に、富士山が地上と天空をつなぐ壮大な風景画である。